【KiCadを活用した基板設計】発注・委託で失敗しない!依頼時の注意点や品質向上のポイント

KiCad基板設計の依頼から設計完了までの完全ガイド

KiCadは、オープンソースの無料の基板設計CADとして人気を集めています。回路図設計からガーバーデータ出力まで一貫して行えるため、趣味の電子工作からプロの開発まで幅広く利用されています。一貫して行えるものの、設計した基板を効率的かつ高品質に仕上げるためには、基板製造業者への発注・委託が得策です。

KiCadで設計した基板を発注・委託する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

そこでこちらでは、KiCadを用いた基板設計のメリット・デメリットや依頼時の注意点、品質向上のためのポイントなど、スムーズに発注・委託を進めるための情報をご紹介します。

KiCadでの基板設計の基礎知識

KiCadでの基板設計の基礎知識

KiCadは、オープンソースで開発されている無料のプリント基板設計CADです。回路図設計からガーバーデータ出力まで一貫して行えるのが特徴です。KiCadを使うメリットは、コストをかけずに高機能なツールを利用できる点、そしてカスタマイズ性が高い点です。デメリットとしては、操作に慣れるまで時間を要する可能性がある点、サポート体制が限定的である点が挙げられます。

KiCadでの基板設計は、大きく以下の流れで行います。

ステップ1:回路図作成

回路図エディタ(Eeschema:イーイー・スキーマ)で回路図を作成します。部品配置、配線、各部品への参照番号設定などを行います。

ステップ2:フットプリント作成・関連付け

部品の形状データ(フットプリント)を作成、またはライブラリから選択し、回路図の部品と関連付けます。

ステップ3:基板設計

PCBレイアウトプログラム(Pcbnew:ピーシービーニュー)で基板設計を行います。部品配置、配線、ビア配置、DRC(デザインルールチェック)などを行います。

ステップ4:ガーバーデータ出力

製造データ(ガーバーデータ)を出力します。

製造性を考慮した設計として、部品選定においては入手性の良い標準部品を選択することが重要です。配置においては、ノイズの影響を最小限にするために、アナログ回路とデジタル回路を分離する、高周波部品は基板端から遠ざけるといった配慮が必要です。配線においては、信号線の長さを最短にする、電源線とグランド線は太くするなどの工夫が必要です。

基板設計の発注・委託における品質向上のためのポイント

基板設計の発注・委託における品質向上のためのポイント

KiCadで設計した基板を高品質に仕上げるためには、発注・委託前にいくつかのポイントを押さえることが重要です。設計データの正確性はもとより、製造業者との綿密なコミュニケーションも欠かせません。

設計データの確認

ガーバーデータ、ドリルデータ、ネットリストなど、出力された設計データに誤りがないか、最終確認を行いましょう。DRC(Design Rule Check)機能を活用し、設計ルール違反を事前に検出することも重要です。

部品選定

使用する部品の入手性やEOL(生産終了)状況を事前に確認し、代替部品についても検討しておきましょう。入手困難な部品を使用すると、製造コストや納期に影響が出る可能性があります。

製造業者との連携

製造業者と事前に打ち合わせを行い、設計仕様や製造上の制約事項などを共有しましょう。疑問点や不明点は積極的に質問し、相互の理解を深めることが大切です。

テストポイントの設置

基板の動作確認やデバッグを容易にするため、テストポイントを適切に配置しましょう。テストポイントがない場合、不良箇所の特定に時間がかかる場合があります。

製造公差の理解

基板製造における公差を理解し、設計に反映させることが重要です。製造公差を考慮しない設計は、期待どおりの性能が得られない可能性があります。

これらのポイントを踏まえ、製造業者と密に連携しながら、高品質な基板製造を実現しましょう。

基板設計データのフォーマットと発注プロセス

KiCadで設計した基板を製造委託する際、最も重要なことの一つは、正確な製造データを作成し、正しく発注プロセスに乗せることです。一般的に基板製造にはガーバーデータやドリルデータが使われますが、KiCadで出力する際には細かな設定が必要です。

例えば、どの層のデータをどのフォーマットで出力するか、部品配置データ(座標データ)をどのような形式で用意するかなど、メーカーによって推奨されるフォーマットが異なる場合があります。事前に発注先のメーカーが求めるデータ形式や命名規則を確認し、それに合わせてデータを出力することが、スムーズな基板設計と製造の鍵となります。

これらのプロセスを正しく行うことで、手戻りや余計なコストを削減できます。

基板発注・委託の注意点

KiCadで設計した基板を発注・委託する際には、いくつかの注意点があります。スムーズに製造を進めるためにも、以下の点に留意しましょう。

まず、ガーバーデータやドリルファイルなど、必要なデータが揃っているかを確認しましょう。データが不足していると、製造が遅延する可能性があります。また、ファイル形式やバージョンも業者によって異なる場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。

次に、基板の仕様を明確に伝えましょう。基板のサイズ、層数、板厚、表面処理、部品実装の有無など、詳細な情報を業者に提供することで、誤解や手戻りを防ぐことができます。特に、鉛フリーはんだの使用など、環境規制に関する事項は必ず確認しておきましょう。

また、製造数量と納期についても、事前に業者と相談することが大切です。数量が多い場合は、割引が適用される場合もあります。納期は、設計の複雑さや製造工程によって変動するため、余裕を持ったスケジュールを立てるようにしましょう。

さらに、業者とのコミュニケーションも重要です。不明点や疑問点があれば、積極的に質問し、疑問を解消しておくことで、スムーズな製造プロセスを実現できます。

これらの注意点を守り、業者と密に連携することで、高品質な基板をスムーズに製造することができます。

基板設計の発注・委託を成功させるためのヒント

ここでは、KiCadで設計した基板を発注・委託する際に役立つヒントをご紹介します。

製造業者との連携

設計段階から製造業者と連携することで、製造上の制約や推奨事項を早期に把握できます。これにより、手戻りを減らし、開発期間の短縮とコスト削減につながります。特に、特殊な部品や基板形状を採用する場合は、事前に業者と相談することが重要です。

コスト削減

コスト削減のためには、部品点数を減らす、両面実装を活用する、標準的な基板サイズを選ぶなどの工夫が有効です。また、基板の層数を減らすこともコスト削減につながりますが、配線設計の難易度が上がる可能性もあるため、設計の初期段階で慎重に検討する必要があります。

品質向上

品質向上のためには、設計ルールの厳格な遵守、ノイズ対策の考慮、適切な部品選定が不可欠です。製造業者によっては、設計データのレビューサービスを提供している場合もあります。これらのサービスを活用することで、設計の潜在的な問題点を早期に発見し、修正することができます。

KiCadで設計した基板をスムーズに発注・委託しよう

KiCadは無料で使える高機能な基板設計ツールですが、設計後の発注・委託をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。上記でご紹介した内容を参考にしてスムーズな発注・委託を実現し、KiCadで設計した基板を具現化しましょう。

ニソールでは、KiCadを使った基板設計サービスを提供しております。回路図、外形図、ネットデータ、部品表などをご提供いただければ、豊富な設計経験に基づき高品質な基板設計をいたします。KiCadはオープンソースのEDAソフトのため、納品データ(CADデータ、CAMデータ)をお客様自身で編集可能です。さまざまな仕様に対応可能ですので、KiCad設計の委託・発注をお考えの際は、ぜひニソールへご依頼ください。

設計データがそのまま使える。CADLUS PX導入工場のサービス紹介

お客様がCADLUS PCB,Xで作成した設計データをそのまま基板製造に活用可能。CADLUS PX導入工場との連携により、ガーバーデータへの変換作業は不要です。さらに、基板製造後に使用するハーネス加工や実装の見積もりも、事前に簡単に取得・注文できます。製造手配の工数を削減し、スムーズな生産計画をサポートします。

KiCadを活用した基板設計ならニソール

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